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2013年6月16日日曜日

ラヴィ・ド・ボエーム

アキ・カウリスマキ監督の「ラヴィ・ド・ボエーム」を観ました。

  • 製作国:フィンランド、スウェーデン、フランス、イタリア(1992年)
  • 監督: アキ・カウリスマキ
  • 脚本: アキ・カウリスマキ
  • 出演: マッティ・ペロンパー、アンドレ・ヴィルムス
  • 上映時間:103分

【あらすじ】

作家のマルセル(アンドレ・ヴィルムス)は家賃が払えず、パリのアパートから追い出されてしまう。ふとしたきっかけでマルセルは、アルバニアから不法入国していた画家のロドルフォ(マッティ・ペロンパー)と出会う。意気投合した二人はマルセルの元のアパートに行くが、そこには次の住民の音楽家ショナール(カリ・ヴァーナネン)が住んでいた。















画像はこちらからお借りしました。
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カウリスマキ監督作品によく出演されていたフィンランドの俳優のマッティ・ペロンパーは心臓発作で44歳で亡くなっています。味のある役者さんです。以前観た同じくカウリスマキ監督の「パラダイスの夕暮れ」では癖のある清掃員ニカンデル役を演じていて、彼の料理シーンが何故かとても印象的で忘れられません。この映画でも独特な雰囲気を醸し出していました。ペロンパーはこの映画の中でベレー帽をちょこんとかぶっているのですが、画家=ベレー帽というイメージを持つのは日本人だけではないのですね。

この映画のエンディングで日本語の歌が流れてきて驚いたのですが、調べてみると篠原敏武さんという方が歌っている「雪の降る町を」というタイトルの歌でした。舞台がフランス、フィンランド人の監督の作品で日本語の渋い歌が流れてきてちょっと不思議な気分になりましたが、落ち着いた歌で気に入りました。

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2013年6月15日土曜日

浮き雲

アキ・カウリスマキ監督の「浮き雲」を観ました。

  • 製作国:フィンランド(1996年)
  • 監督:アキ・カウリスマキ
  • 脚本:アキ・カウリスマキ
  • 出演:カティ・オウティネン、カリ・ヴァーナネン
  • 上映時間:96分

【あらすじ】

ヘルシンキの名店ドゥブロヴニクで給仕長をつとめるイロナ(カティ・オウティネン)と、トラムの運転手ラウリ(カリ・ヴァーナネン)の夫婦は、慎ましくも幸せな生活を送っていた。しかし、ラウリはリストラにあってしまう。なかなか職が見つからず酒に溺れる日々を過ごす。そんな中、イロナの勤めるレストランも大手チェーン店に買収され、イロナも職探しの日々を送る。希望が見出せない中、2人はドゥブロヴニクで働いていた仲間たちと新しいレストランを開く計画を立てる。































画像はこちらからお借りしました。

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冒頭の仲睦まじく暮らす2人のシーンから一転、ラウリがリストラされたと思ったらイロナも無職になってしまい、踏んだり蹴ったり。お酒におぼれるラウリとは異なり、イロナは地に足がしっかりくっついていて、苦しい立場に追いやられたときって女性のほうが強いのね・・・。

失業や生活苦といった重苦しいテーマの中でもいくつか笑ってしまうほほえましいシーンがありました。

ドゥブロヴニクで料理長が酒を飲み過ぎて暴れ、誰も料理長を止められなかった場面にイロナ登場で即解決したり、イロナとラウリが映画を観に行ってラウリが映画を気に入らず映画館のスタッフに文句を言うのですがそもそも映画の代金払っていなかったり、新しいレストランを開業する前にイロナが一時期働いた食堂でのイロナの一人芝居など笑えるシーンがたくさんありました。

紆余曲折あってもとのドゥブロヴニクのスタッフたちと新しいレストランを開店させた時の2人の表情がとても晴れやかで、やっと幸せな生活への一歩を踏み出せたんだなと私まで嬉しくなりました。

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2013年6月1日土曜日

黒澤明監督の「夢」を観ました。

  • 製作国:日本(1990年)
  • 監督: 黒澤明
  • 脚本: 黒澤明
  • 出演: 寺尾聰、賠償美津子、井川比佐志
  • 上映時間:119分

【内容】

私(黒澤明監督)が見た8つの夢を題材にしたオムニバス映画。

「日照り雨」

ある日、5歳の私は狐の嫁入りを見てしまう。

「桃畑」

桃の節句の日、少年時代の私は姉と姉の友人に混じって不思議な少女を見かけ、少女を追っていくと桃の段々畑にたどり着く。

「雪あらし」

私たちは、雪山登山中に猛吹雪に遭遇し、次第に睡魔に襲われる。

「トンネル」

戦争から生還してきた私はトンネルの入口に差し掛かったとき、手榴弾を背負った犬と出会う。

「鴉」

画学生の私が美術館のゴッホの絵を鑑賞している内に「アルルのはね橋」の絵の中を歩いていた。そして私はゴッホと出会うのだった。

「赤富士」

原発が爆発。逃げる人たちと真っ赤に溶けていく富士山。そこで私は原発に勤めていた男に出会う。

「鬼哭」

滅びようとしている地球で私は鬼と出会う。鬼によると鬼にも階級があり、角が多い方が階級が上という。鬼たちは共食いをしながら生き延びているが、食われない限り死ぬことができないという苦しみが彼らをおそっていた。

「水車のある村」

自然豊かな村で私は老人と出会う。この村では現代の技術を生活に取り入れずに自然と共存して生活をしていた。

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なんて色彩鮮やかで幻想的な夢を観る監督なのでしょうか。

「日照り雨」

キツネが虹の下に住んでいる、という設定がとてもかわいらしいなと思いました。ゆっくりと進んでいくキツネの嫁入りの行列のシーンが少し滑稽で笑ってしまいました。

「桃畑」

この映画の中ではこの桃の節句の夢が気に入りました。
何といっても衣装(ワダエミさん)がとてもカラフルで綺麗、そして雅楽も素敵。5人の女の子が一緒に桃の節句を祝っていたから5対のお雛様が出てきて、とても幻想的で美しいエピソードだと思いました。

「鴉」

ゴッホの絵画の世界に入り込むという設定が面白いと思いました。ゴッホの絵の中なので、色彩が鮮やかでにおいまで伝わってきそうでした。ゴッホを演じたのはなんと有名な映画監督マーティン・スコセッシ!

「赤富士」

この映画は1990年に公開された映画で、もちろん2011年の東日本大震災の前です。黒澤明監督が原発に抱いていた恐怖心・懐疑心がよく表現されている話だと思いました。放射能が漏れた時に分かりやすく色づけがされているという設定が怖かったです。そして、人間はコントロールできないものを作る生き物だよな、とあらためて思いました。


夢はみるけれども、起きたら即忘れる、という記憶力の悪い私です。
黒澤明監督の夢は内容も独創的で想像力あふれたものですし、こんなにきちんと夢を覚えておられた事がやはり黒澤明監督は才能にあふれた方だったのだな、と思いました。そして、素晴らしい芸術家であるからこそ、ご自分の夢を題材に映画にもできるのだな・・・と。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。



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2013年4月30日火曜日

まあだだよ

久しぶりに黒澤明監督の「まあだだよ」を観ました。

1993年に公開された黒澤明監督の最後の作品です。あまり映画には詳しくないのですが、私はこの映画が大好きで何度も観ています。観ている間中も観終わった後もほっこりと幸せな気持ちになるからです。 日常の生活で色々ありますが、一番大切なのは何なのか、この映画を観ると分かる気がしてくるのです。

この映画を観て毎回思うのは、親切の連鎖です。先生(松村達雄さん)や先生の奥さん(香川京子さん)のやさしさが先生を慕う元生徒たち、ご近所の方たちに広がっていっているのがよく分かるのです。教職を退いてから引越しした先の家で、丁寧にどろぼうへの案内経路をドアや壁に貼ったりしたおちゃめさや、戦後で物が不足していた時、雨の日に傘をさした教え子に「何か必要なものがあるか?」と聞かれ、「傘がほしい」と答えてその教え子の傘をちゃっかりもらったり、何をしても先生はみんなから愛され、尊敬される存在なのです。

先生のやさしさだけではなく、人に対する丁寧さ、謙虚さが素敵だなと思いました。先生の愛猫がいなくなった時に、小学校で迷い猫のビラを配るのですが、その時も先生は小学生に丁寧な言葉で話しかけていましたし、先生を囲む「摩阿陀会(まあだかい)」でも教え子の孫たちにやさしく語りかけるシーンも印象に残りました。

1993年公開の作品でしたので、私はその時には既に大人でしたが、子どもの頃にこの映画を観られていたら私の人生もしかしたら変わっていたかしら?と思います。

それから、教え子の一人に所ジョージさんが出演されているのですが、この映画の中でじわーっといい味が出ているな、司会者の印象が強い方ですが、いい役者さんでもあるのだなと思いました。

物語は淡々と進んでいきますが、とても幸せな気持ちになれる映画だと思います。