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2013年5月21日火曜日

赤い靴

モイラ・シアラー主演の「赤い靴」を観ました。

  • 製作国:イギリス(1948年製作)
  • 監督:マイケル・パウエル、エメリック・プレスバーガー
  • 脚本:マイケル・パウエル、エメリック・プレスバーガー
  • 原作:ハンス・クリスチャン・アンデルセン
  • 出演:モイラ・シアラー、アントン・ウォルブルック
  • 上映時間:133分


【あらすじ】

ヴィッキー・ペイジ(モイラ・シアラー)は売れないバレエダンサー。彼女の叔母の計らいで有名なボリス・レルモントフ(アントン・ウォルブック)のバレエ団で踊る機会を得るが役には恵まれない日々が続きます。しかし、ある日ヴィッキーの踊る「白鳥の湖」を観たボリスは、彼女を新しいバレエ「赤い靴」の主役に抜擢します。アンデルセンの物語同様に役に没頭した彼女はこの舞台で大成功をおさめるが・・・。

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劇中の舞台「赤い靴」の映像が幻想的で引き込まれました。若手の作曲家ジュリアン(マリウス・ゴーリング)をはじめ、多くの才能が集まって生み出された舞台だけにとても迫力があり、見ごたえのあるシーンでした。

赤い靴の「赤」だけでなくモイラ・シアラーの赤い髪の毛の色がとても鮮やかで、踊ることに夢中なヴィッキーと「赤い靴」の主人公が更に重なりました。舞台「赤い靴」で出会った若い作曲家ジュリアンと恋に落ち、幸せな生活を送るヴィッキーですが、やはり大好きなバレエは捨てられず、彼女の才能を見出し、かつヴィッキーを愛するバレエ団のプロデューサーボリスとジュリアンとの間で揺れ動きます。舞台で「赤い靴」を履いたヴィッキーが、現実の世界でその靴を脱ぎきることができない苦しさが伝わってきました。

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2013年5月18日土曜日

イリュージョニスト

「イルージョニスト」を観ました。

  • 製作国:イギリス・フランス(2010年)
  • 監督:シルヴァン・ショメ
  • 脚本:シルヴァン・ショメ
  • 上映時間:80分


【ストーリー】

落ちぶれた初老のフランス人の手品師はさびれた劇場をまわりながら生活をしています。ある日彼はスコットランドの島を訪れ、田舎に住む人々は彼の手品を喜んでくれます。宿で出会ったアリスという少女はそんな彼を何でも夢を叶えてくれる魔法使いだと信じ込みます。手品師は島を離れ町に出る事になったのですが、アリスはそんな彼を追いかけてきてしまいます。おじいちゃんと孫のように一緒に暮らす二人でしたが、町での暮らしはアリスにとってはあまりにも魅力的で、やがて二人に別れがやってくるのでした。

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スコットランドの町の様子や自然、生活感が雰囲気の優しい絵と共に伝わってきました。アリスの期待を裏切らないよう、生活を切り詰めながら彼女にプレゼントを渡したりする初老の手品師の優しさがあふれている作品だと思いました。

手品師にとっては目新しい物はそうそう無いのですが、田舎から都会へ出てきたアリスはまだ幼く、世界がどんどん広がっていきます。年齢的にこれから初老の手品師の方向へ向かっている私にとっては、二人の生活感の差がどんどん大きくなっていく様はとても切なく感じました。そして、若い頃は私もアリスみたいに好奇心のかたまりだったのかもなーと懐かしく思いましたし、古い物に取って代わり新しい物の時代がやってくるというこの映画のテーマを思い、少しほろっとした気持ちにもなった映画でした。



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2013年5月13日月曜日

ケス

ケン・ローチ監督の「ケス」を観ました。
2006年に「麦の穂をゆらす風」でカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞した監督です。

  • 製作国:イギリス(1970年公開)
  • 監督:ケン・ローチ
  • 脚本:バリー・ハインズ、ケン・ローチ
  • 出演:デヴィッド・ブラッドレイ、フレディ・フレッチャー
  • 上映時間:110分 

この映画の主役はヨークシャーの貧しい炭鉱町で暮らす15歳の少年、ビリー・キャスパーです。
ビリーは家ではザ・乱暴者のお兄さん、ジャドにいじめられ、学校でも生徒や先生からいびられて、何の希望も持てない日々を過ごしています。しかし、ある日ビリーは農場にあったハヤブサの巣からヒナを拾い、「ケス」と名づけて育てはじめ、ケス一色の日々がはじまります。ビリーとケスはどんどん信頼関係を築いていきます。学校の英語の授業でケスとの事をクラスの前で発表する機会があり、その時はじめてビリーはいじめられっ子ではなくて先生や生徒から賞賛の声を浴びます。しかし幸せは長く続きません。ある日、ジャドから賭け事の為のお金を預かったビリーは、「どうせ当たらないお金だし」とジャドのお金を自分とケスのための食事に使ってしまいます。それに気付いたジャドは当然怒り狂ってビリーを追いつめていく、という物語です。

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イギリスの学校ってどこもこんな感じなんでしょうか?

もちろん、この映画は1970年の公開なので今も同じとは思いませんが、あまりの質の悪さに驚き、映画の本筋よりもこちらの方が気になってしまいました。こんな学校なら行かせるだけ無駄じゃないのかしら、と思いました。先生は威圧的で生徒をいびる事で自分のストレスを発散させているようにしか思えないですし、生徒たちは反抗的で行儀が非常に悪く乱暴者だらけです。揉め事の絶えない学校です。この町で生まれ育った子どもたちが貧しさから抜け出すのは相当難しいのだろうなと悲しくなりました。

主人公ビリーは設定では15歳という役のようなのですが、とても小さくて痩せている少年なので小学校3年生か4年生くらいなのかなと勝手に思っていました。映画の終盤でビリーが就職のための面談を受けているシーンがあり、「え!こんな子どもなのに就職?」とビリーが生きている土地の厳しさを知らされました。しかも、面談で出てくる職種っていうのが、また体力勝負の仕事ばかりで更に辛くなりました。いえ、ビリーって本当にやせっぽちの少年なんです。体育の授業の後、シャワーを浴びるシーン(これもびっくりしました)があったのですが、背中の骨が浮き出ていて栄養をきちんと摂れていないんだなと思ったもので、そんな痩せている少年に肉体労働させるの!?ともうすっかりビリーの母親気分の私は思ったのでした。

こんな過酷な環境の中で、やっと見つけたケスを育てると喜びがビリーの生活を変えます。勉強の為に古本屋からハヤブサの本を盗んだり(ダメだよ、ビリー!)、ケスの為に餌を捕まえたり、一生懸命世話をし、調教しているビリーは家や学校にいる時とは大違いでとても生き生きして目が輝いています。大体予備知識無しで映画を観る私はこの時点で「きっとラストは有名な鷹匠になったビリーが出てきて、これは大人のビリーの回顧録なんだ」と決め付けていました。結末は省きますが、苦しいけれど非常に現実的で見ごたえのある映画だと思いました。

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