2013年5月25日土曜日

女が階段を上る時

成瀬巳喜男監督の「女が階段を上る時」を観ました。
2010年に亡くなった高峰秀子さん主演の映画です。高峰秀子さんはこの映画で衣装も担当されています。

  • 製作国:日本(1960年公開)
  • 監督:成瀬巳喜男
  • 脚本:菊島隆三
  • 出演:高峰秀子、仲代達矢
  • 上映時間:111分


【あらすじ】

圭子(高峰秀子)は銀座のバーで雇われママとして働いている。バーの売り上げが落ちたことでオーナーからもっと営業努力をするように言われる。そんな時、以前圭子のもとで働いていたユリが開いたバーに圭子の客が通っているという噂を耳にし、ユリのバーを視察がてら訪れる。やがて、圭子は自分の店を持ちたいと決心し、資金集めに奔走するが・・・。----------------------------------------------------------------------------------------------

女性が一人で生きていくのが大変なのは今も60年代も変わらないのだな、と思いました。特に銀座という競争率の高い場所でホステスとして働くには相当な苦労が必要で、他の若いホステスたちがうまく男性客に取り入って独立していく中で、誇り高い圭子は客集め・資金集めに苦労していて、ホステスという職業に身を捧げきれない圭子の生き方がネックになっているのをみていてとってももどかしい気持ちになりました。

圭子ととても対照的だと思ったのは、圭子のもとで働いていた「純子ちゃん」です。彼女はとってもおちゃめで世間知らずでかわいいのですが、意外としっかりしていて、自分の店をいずれは持ちたい、という確固たる夢を持っています。でも、そんな野心をまったく感じさせないのが彼女の憎めないところ。圭子から電話で体良くお客様に断りを入れる方法を学んだあと、「純子、ひとつお利口になっちゃった」と茶目っ気たっぷりに言ったり、圭子の亡くなった夫の写真を見て、「太っててがっかり」とずけずけ言えちゃうんです。純子みたいに多少図々しいところが無いと自分のお店なんてもてないのだろうなあ・・・とあらためて圭子に同情。

音楽が軽快でとても映画に合っていて良かったと思いました。音楽は黛敏郎さんです。

1960年代の日本の男性社会で健気に生きる女性たちの辛さがよくよく伝わってきました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ランキングに参加しております。
気に入っていただけたらクリックしていただけると嬉しいです。
とても励みになります。