2013年5月9日木曜日

天井桟敷の人々

今日は「天井桟敷の人々」を観ました。

  • 製作国:フランス(1945年)
  • 監督:マルセル・カルネ
  • 脚本:ジャック・プレヴェール
  • 出演者:アルレッティ、ジャン=ルイ・バロー
  • 上映時間:190分
上映時間が上記のように190分ととても長く、2部構成になっています。

この映画では当時のパリの市井の人々の生活がとても生き生きと描かれています。映画のタイトルである「天井桟敷の人々」とは、劇場で一番奥かつ一番上の安い席の人々の事です。彼らは天井桟敷から思うままに歓声をあげ、ブーイングをします。一般市民の力がいかに大切で強いものなのかよく表現されていると思いました。

映画の内容は、自由を愛するガランス(アルレッティ)とバティスト(ジャン=ルイ・バロー)の恋を軸に周囲の人々を巻き込んでいく、という内容です。

ジャン=ルイ・バローのパントマイムがすばらしかったです。冒頭のガランスとの出会いでの一人4役のパントマイムがとてもコミカルで、たった一人で演じているのにそれぞれの気持ちもよーく表現されていて「ほぉ~」と初っ端からうっとりしてしまいました。パントマイム役者だからなのかもしれませんが、ジャン=ルイ・バローの目での演技にくぎづけになりました。台詞が無い場面でも彼の目の動きで感情が伝わってきました。

こういう恋愛映画を観ると、どうも私は自分の思いを相手に届けられない役の人をひいき(?)してしまうようで、この映画ではバティストの妻であるナタリーが切なくて仕方がありませんでした。いえ、もちろんバティストもガランスも互いを思う気持ちとは反して別れ別れになるのですが、それでもお互いを思い合っているという事実に変わりはないですから。

ラストでバティストの「ガランス!」という叫びが群集の雑踏の中に消えていくシーンがとても印象的でした。