2013年5月23日木曜日

ミツバチのささやき

ビクトル・エリセ監督のスペイン映画「ミツバチのささやき」を観ました。

  • 製作国:スペイン(1973年)
  • 監督:ビクトル・エリセ
  • 脚本:ビクトル・エリセ、アンヘル・フェルナンデス・サントス
  • 出演:アナ・トレント、フェルナンド・フェルナン・ゴメス
  • 上映時間:99分


【あらすじ】
1940年。スペイン内戦でフランコ政権が勝利をおさめた時代。
6歳のアナはお父さんのフェルナンド、お母さんのテレサとお姉ちゃんイサベルと一緒にスペインの田舎の村に住んでいます。お父さんはミツバチの世話に没頭していて、お母さんは昔の恋人に手紙を書いたりしています。アナの良い遊び相手はお姉ちゃんのイサベルですが、イサベルはアナを時にからかいすぎてしまいます。
ある日、アナの村に移動映画がやって来ます。今回の映画は「フランケンシュタイン」です。アナはこの映画に夢中になります。映画の中でフランケンシュタインが少女を殺してしまうシーンがあり、アナはイサベルに「何でフランケンシュタインは女の子を殺しちゃったの?」と聞きます。イサベルは、映画に出てくることはぜんぶ嘘で女の子は殺されてない、怪物は精霊のようなものでアナが話したいと思えば話せるんだよ、とからかいます。イサベルはアナを村のはずれにあるさびれた納屋に連れて行き「ここは怪物の家だよ」と嘘をつきます。信じ込んだアナはひとりでたびたびその納屋に来るのですが、ある日そこで怪我をした逃亡者に出会います・・・。

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この映画の魅力は主役を演じたアナ・トレントちゃんのかわいさにつきると思います。大きな目からアナの感情が伝わってきました。アナをからかってばかりいるお姉ちゃんの嘘を信じこんでしまう純粋さは彼女にぴったりの役だと思いました。物語の後半である事件をきっかけにアナはお父さんに疑いのまなざしを向けるのですが、子どもの感受性の強さがよく表現されていると思いました。

スペイン内戦の影響が色濃く残るスペインが舞台なので、全体的に重苦しい空気が漂っています。アナはまだ幼いのできっと内戦の事は何も分からないのだと思いますが、彼女なりにちょっとした大人の言動を敏感に察して生きている様子が悲しくもありました。重苦しい映画ですが、そんな中でもいくつかほっこりするシーンがあり、私が気に入ったのは、お姉ちゃんであるイザベラと一緒にお父さんのひげそり道具を使ってひげそりの真似事をしているシーンです。とてもかわいらしいシーンです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


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