2013年5月14日火曜日

フェデリコ・フェリーニ監督の「道」を観ました。
この映画のテーマ音楽はフィギュアスケートの高橋大輔選手の演技にも使われましたのでご存知の方も多いと思います。

  • 製作国:イタリア(1954年)
  • 監督:フェデリコ・フェリーニ
  • 脚本:フェデリコ・フェリーニ
  • 出演:アンソニー・クイン、ジュリエッタ・マシーナ
  • 上映時間:104分


貧しい一家の純粋で正直なジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)は死んだ姉ローザの代わりにザンパノ(アンソニー・クイン)という旅芸人の助手として10,000リラで売られていきます。ザンパノは
「乱暴者」という形容詞以外思い浮かばない人物ですが、何もできないジェルソミーナに太鼓とトランペットを教え込み、二人は町から町へ旅をします。はじめはザンパノに素直に従い、好意すら持つ(何故?)ジェルソミーナですが、あまりのザンパノの態度が嫌になり、彼の元を離れますが、結局捕まってしまいます。その後サーカス団に合流するザンパノ達ですが、そこにはザンパノと因縁があるらしい綱渡り芸人が既にいて、ザンパノと激しく揉めます。揉め事がエスカレートし、ザンパノと綱渡り芸人は警察に捕まり、サーカス団からもクビにされてしまいます。ジェルソミーナはサーカス団について行く事もできましたが、ザンパノを選び、再び二人は旅をします。しかし、旅の途中で再び綱渡り芸人と出会ったザンパノは、勢い余り、綱渡り芸人を死に追いやってしまいます。彼の死はジェルソミーナを追いつめ、放心状態になってしまします。ザンパノは結局ジェルソミーナが寝ている間に置いてきぼりにして一人旅に出てしまう、という物語です。

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昨日も乱暴者(「ケス」の主人公の兄)が出てくる映画を観て嫌気が指していたのに、何故だかまた乱暴者の映画を観てしまいました・・・。

ザンパノは体も大きく態度も荒々しいのですが、怯えている犬みたいだな、と思いました。本当は悲しいのに、つい吠えてしまい余計に相手を怖がらせてしまいます。だからいつも一人なのです。そんなザンパノに従順なジェルソミーナの優しさはザンパノにはなかなか届かなくて辛いシーンばかりです。

ジェルソミーナの辛い日々が続きますが、旅の途中で出会った綱渡り芸人の言葉に励まされたジェルソミーナは自分の人生に光を見つけます。綱渡り芸人は、ジェルソミーナにどんなに小さい石にだって、何か目的があるんだよ、と言い聞かせたのです。それまではザンパノに従うだけのジェルソミーナでしたが、自分に与えられた目的は何なんだろう?と考え始め、目が輝きだします。きっとこの、言われるがままに行動するのではなく、自分の頭で考え始めた時が一番ジェルソミーナにとって幸せな時間だったのかな、と思いました。

数年後、ある海岸沿いの町で芸をしていたザンパノはジェルソミーナがトランペットでよく吹いていた曲を耳にします。洗濯物を干していた女性が歌っていたのですが、彼女からジェルソミーナが死んだ、という話を聞かされます。ジェルソミーナの死を知ってショックを受けるザンパノ。強がってはいますが、本当は彼は寂しい人なんだなと思いました。ラストのシーンでようやくジェルソミーナの存在の大きさに気付き、本当に一人になってしまったザンパノの悲しみがひしひしと伝わってきました。

Youtubeにあったこの映画のトレイラーを貼ってみました。
字幕無しなのですが、雰囲気はお分かりいただけるかと思います。




最後まで読んでくださりありがとうございました。



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